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赤い雨がやんだ。
【全てがなくなる前に回復させなきゃ……】
またあの声だ。
プレイヤー達はどこから聞こえてくるのかとあちこち見回している。
【無限ループのシナリオを、そしてこの世界の柱をよくも壊してくれたね】
【英雄的地位を与えられたのに何が不服なの?】
英雄的地位?
【ねえ、どうして? 何故この世界を壊そうとするの!?】
……?
私に話しかけている?
【共通の敵がいれば弱いものは強いものにしいたげられない。そうでしょう? 良いことをしているのに……なんで?】
【ねえ……なんで壊そうとする?】
それは考えの押し付けだ。
確かにそういった部分は一理あるかもしれない。
でもこんなのは間違ってるよ。
関係ない人まで巻き込んで。
【君らのことを一番考えているんだよ】
「違う、こんなことをして喜ぶと思っているの!? それが分からないならあなたに私達のことが理解できるはずがない! もう私達に関わらないで!!」
思いの限り叫んだ。
【………………そう】
長い沈黙の後、一言だけ返事が返ってきた。
おぞましく、突き放すような低い声。
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