序章~忘れられた村~

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 村は閑散としていた。どこかの賊に襲われたのか、戦乱の被害に遭ったのか。いずれにせよ、事態は芳しくない様子である。その残骸からはほんの少し前まで人が暮らしていたであろう痕跡がいくつも見受けられた。しかし人影はなく、建物も崩れかけ、田畑には本来そこにいるはずのない植物達が縄張りを作ろうとしているようだった。 このような村は、もはやここだけではない。国の至る所で、それに続かんとする村が出始めていたのであった。それは国のせいか、運命だったのか……。人々はいまを生きるのみである。
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