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あたしは美子(みこ)26歳。
まずは、あたしの生い立ちから語りたい。
幼少期は養護施設で育った。理由は児童虐待。
親の愛情に餓えていた。
周りの子達が羨ましかった。
あたしだって、親に愛されたい。
現実は、殴られたり、煙草の火を付けられたり、山に置き去りにされる…。
だけど、親に愛されたい気持ちはきえなかった。出来ることなら、母親に抱き締めてもらいたい。
叶わない思いを抱え、15歳まで施設で過ごす。
高校受験を期に、あたしは家に帰ることになった。
でも、あの家はあたしの居場所ではなかった。
あたしは、バイト、友達、学校、彼氏と家に帰らなくてすむ様に、予定を入れ続けた。
あたしの手帳は予定で真っ黒になっていた。
そんな頃、ある人と再会をした。
雅樹(まさき)
施設にいた男の子。やんちゃで、時々泣かされもした。
自然に雅樹と付き合うようになった。
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