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ジィィィィ~
もう夏も終わりかけというのに蝉は鳴くことをやめなかった。
もうじきこの暑さも名残惜しいものとなる。
「なあ・・・本当に行くのか?そっちに」
半袖姿の男が僕を見て言う。
「ああ。僕はこっちの人じゃあないからな・・・」
するともう一人の大男が僕の肩に手を置いて
「わかっとる。またいつかどこかでな~」
そういって半袖の男をつかんで大男は後ろを向いて歩いて行った。
「あっちゃんらしいね。功君」
「そうだね。」
そこには僕と彼女だけになった。
すると彼女は突然、
「行かないで・・・」
彼女は僕の袖を掴んで頭を寄せた。
「ごめんね・・・でも・・・行かなくちゃ・・」
僕の前には光るリングがあった。
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