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それからのこと。
近藤は、新八を含めた数人の隊士を連れて江戸へ下り、自ら募集された隊士と話をした。
そして近藤たちが帰ってきたのち数週間後、藤堂平助は隊士達を連れて江戸から帰ってきた。
「藤堂平助、ただ今江戸から帰りました」
「ご苦労だったな、平助。伊藤さんもよく来てくれました」
近藤がねぎらいの言葉をかけると、山南は人当たりの良い笑みを浮かべて『伊東』と呼ばれる男を見た。
「平助、紹介してくれますか?」
「あ、はい!
こちら、伊東道場の伊東甲子太郎先生です。
非常に頭もよく、剣の腕も相当なものです」
平助の紹介を受けて、伊東は手をつき、頭を下げた。
「初めまして、伊東甲子太郎と申します。
未熟者ではありますが、身をとして働きます故、よろしくお願い申し上げます」
それからすっと顔を上げて切れ長の目を細めて口角を上げた。
「いや、これはご丁寧に…。私は、新撰組局長の近藤勇です。
こちらこそ、よろしくお願いします」
「私は副長の山南敬助です」
とにこやかに山南が挨拶をし、
「同じく土方歳三だ」
と、土方は無表情で簡潔に挨拶をした。
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