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「なんであいつ、目瞑ってるのにこっちの動きが分かるんだ?」
「気を読んでいるでゴザル」
「気?」
「たぶん魔力探知みたいじゃないかな?」
「ああ、成る程な」
優貴の言葉にシオンは納得したように頷く。
「で、どうする?あいつ強いぞ」
「そうだね。総合的な戦闘力ならともかく、剣技じゃ向こうが圧倒的に上だ」
戦いの中で剣を学んだ優貴やシオンに比べ、シンゲンは武術として剣を習い、その上で戦いを通して剣技を磨きあげた。
唯一正統な剣術を習ったミラも、今だ未熟な剣の腕はシンゲンに遠く及ばない。
「剣で勝てなくても、数の利を生かして魔法も組み合わせて戦えばいいと思うけど……」
「数の利を生かすつっても、この三人じゃ正直無理だろ」
「珍しい組み合わせだしね。上手く連携が取れるとは思えないな。ミラさんは出来そう?」
「無理」
「だろうな」
マイペースなミラ。実力が高過ぎる故に人に合わせるのが苦手な優貴。猪突猛進のシオン。
それでも、相手によってはチームワークが取れないこともないが、この三人ではまず無理だろう。
優貴とミラは訓練時以外で関わることはほとんどなく、シオンに至ってはこの二人と輪廻を仲介せずに直接関わることはほぼ皆無である。
この三人で連携をしようものなら、味方が邪魔で動きが制限されてしまう。
それならば、ミラが一人で戦った方がまだマシである。
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