観察

42/111
8504人が本棚に入れています
本棚に追加
/1692ページ
「立花さん、どこに行くんですか?」 『わ、私…用事を思い出したので…』 逃げようとしたら、後ろから声をかけられた。 「そんな嘘をついてもダメですよ。それに立花さんがいなくなったら…僕…自分を抑制出来なくなるかも…」 『…………。』 馬詰さんが涙目で袖にすがり付いてきた。 それから名前も知らない新入りさん二人も。 『沖田さん、ずるいですよ…』 「ふふ。まぁ、それは冗談ですが、馬詰さんの打ち込み稽古ぐらいは見学して行って下さい。きっと、いい勉強になると思いますから。」 沖田は微笑みながら頷く。 どうやら死んだふり三人衆には、それなりに手加減をするつもりではいるようだ。 それなら見学も怖くない。
/1692ページ

最初のコメントを投稿しよう!