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「ありがとうございます。では、早速始めましょう。」
沖田と馬詰は向かい合った。
立花は先程まで座っていた場所に腰を下ろす。
「馬詰さん、稽古内容は同じですが、手加減の程も同じだとは思わないで下さいね。」
沖田は優しい声色で、さらりと恐ろしい事を言った。
「…は、はい……」
馬詰の声が震えている。
立花は馬詰がチラ見してきたので、チーンと鳴らして合掌する真似をした。
「ーっ!!!」
馬詰は竹刀を落とした。
「…立花さん、隊士をいじめてはいけないと前にも言ったでしょ。稽古前に怯えさせないで下さい。」
『怯えさせたのは沖田さんではないですか…。私は不安を取り除いてあげようとしただけです。』
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