忘れてたその日

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「よぉ、いたち。そろそろあの日だな?」 「あの日?」 「そう、あの日だ」 「いや、重い日とか、男の俺に言われても困るな」 「消すぞ?」 「待って!やめて!人間の肩はそんな曲がり方しないの!壊れちゃう!」 「バレンタインだよ。分かってんだろ?去年みたいな市販品は怒るぞ?」 「いやいや、味見出来ない俺に手作りとか…まず肩放してくれぇぇ!」 ……そっか。もうそんな季節か。興味なさ過ぎて忘れてた。 先輩カップル(だよね?女っぽいの学ランだけど)を、生暖かい目でチラ見しながらあんパンをかじる。 ……ちは遅いなぁ。 「お待たせ!ってちょっとはる!何でまた先に食べてんの!」 おぉ、来た来た。
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