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「…時計…?」
「それは見た目は腕時計ですが、時刻を表示している画面を押すと、“ダークトリニティー”の文字が表示され、そのリーダーのサスケに連絡が行くようになっています。
万が一、体に異変を感じた時は、それでサスケに連絡し、この場にダークトリニティーをお呼びください。」
「…分かった…」
「ですが、くれぐれも無理はなさらぬように。」
「…ああ、分かった…」
Yがそう言って頷くと、ゲーチスはやがてYに背を向け、再び機械の所に行くとその機械のボタンピピピッと押し、7人抜きから10人抜きに設定を変えた。
「…よし、これでいいですね。」
そう言ったゲーチスはドアの所に行き、ドアをガチャッと開けて言った。
「それでは、リリスの所に行って来ます。」
「…ああ、頼んだぞ…
…あ、ところで、ゲーチス、今気づいたんだが、お前の背にバチュルがくっついているぞ…」
「え?」
そう言ってゲーチスがキョトンとしていると、ゲーチスの背を這っていたのだろう一匹のバチュルがゲーチスの肩の所にピョコンと現れた。
「バチュ。」
「バ、バチュル!
いつの間に…!」
「…本当にいつの間にやらだな…
きっと今お前がドアを開けた瞬間に中に入って来たんだろう…
小さいから気づかなかったな…」
「だからって、なんで私にくっつくんですか?
離れなさい。」
ゲーチスがそう言ってバチュルを払おうと手を動かすと、バチュルはその手を避け、その反動で床にボテッと落ちると、起き上がり、やがてササササッと這って開いたドアから出て行ってしまった。
「まったく…」
そう言ってふぅとため息をついているゲーチスをよそに、そのバチュルは階段をササササッと素早く這って降りており、やがて一番下まで降りるとその近くの廊下で待っていた、耳にイヤホンを付けている男性プラズマ団員のそばに行った…
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