黒と白~陰と陽の奇跡~

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すると、その男性プラズマ団員はしゃがみ、 「…ご苦労さま、バチュル。」 と言ってバチュルの頭を撫でると、 「おかげでゲーチス達の会話バッチリ聞き取れたよ。」 と言ってバチュルに付けていた盗聴器を取った。 「(フッ、ゲーチスとYとやらは今ゲーチスがドアを開けた瞬間にバチュルが部屋に入って来たと思っていたみたいだが、実はバチュルは、その部屋へ行こうと階段を上がっていたゲーチスの後について行ってて、ゲーチスがその部屋のドアを開けた瞬間、こっそり中に入り今までその部屋の中にいたんだよ…)」 そう思って口元にフッと笑みを浮かべた男性プラズマ団員はやがて、ゲーチスが階段を降りて来る事に気づきバチュルを抱きかかえると近くの壁の陰にサッと隠れた。 一方のゲーチスはその事に気づかず、男性プラズマ団員が隠れている壁がある廊下とは反対の廊下を歩いて行くとやがて城から出て行ってしまった。 一方の男性プラズマ団員はそれを見ながら、 「(ゲーチスは星型のブレスレットを買うためにアクセサリー屋に寄ってからリリスの所に向かうと思うから、ゲーチスがリリスのいるタワーオブヘブンに行くまでにはまだ時間があるな… よし、ならまず師匠にこの事を報告した方がいいな。)」 と思うと、バチュルをボールに戻し、やがて近くにいた女性プラズマ団員に声をかけた。 「作戦は成功だ。 そろそろここから出よう。」 するとその女性プラズマ団員はコクリと頷き、その男性プラズマ団員と共に城を出た。
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