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そこにはソフトボール大の白くて鈍く光る物。
あの狭間のものの卵が握られていた。
ケムンは片隅に投げ出してあった座布団の上に、卵をそっと置いた。
そして上から丁寧にタオルを掛けて、それを隠す。
――カンさん、スーさん、ボンちゃん……とりあえず今、三人はいるな。
ケムンの口もとに歪な笑みが浮かぶ。
白い卵からするすると見えない手が二本伸びてきて、ケムンの頭の中をしっかりと掴んでいた。
終
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