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何となく嫌な予感がする…―――
恭弥は応接室の窓から、外を見ていた。
――バタバタ…ドテッ…――
「いったぁ~い。」
…また真紅か。
しかしよく転ぶな。
「恭ちゃ~ん、転んだ~。」
「聞こえてるよ。…怪我したの?」
「膝が痛い~。」
やれやれ…――
「おいで。見せてごらん。」
真紅はソファに座って、スカートを捲りあげた。
真紅の両膝は、無残な擦り傷が出来ていた。
「どうしてそんなに転ぶの?」
傷の手当てをしながら、恭弥は呆れて聞く。
「さぁ?何でだろ?」
真紅は首を傾げて考える。それを見て、恭弥は呆れて言う。
「真紅は落ち着きが足りないよね?」
――ガーン!!―
はっきり言われた。
そりゃあ…自覚は多少あった…かもだけど…。
「恭ちゃん意地悪ぅ。」
「何?僕に向かっていい度胸だね?」
え…?ち、ちょっと…
恭弥が真紅の身体を抱き締める。
そのまま真紅の唇に触れる。
軟らかい感触…温かい恭弥の体温。
くすっ…
「キスだけでボーっとしてるよ。真紅?」
「ぅぅ~。恭ちゃんの意地悪~。」
いつも僕の仕事の邪魔する罰だよ…――
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