序章

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男が仕事を終え家に帰ると家の灯りが消えていた。   不思議に思い時計を見る… 九時を回った所だった 家族が寝るにはまだ早い。   「何かあったのだろうか?」 リビングの灯りをつけ、家族の名前を呼ぶ… そんなに広い家ではないし、二階に居ても聞こえるはずだ。 だが返事は無い。     ふと…テーブルの上に目をやると、割れたタマゴが転がっていた。 数日前に、男が露店で購入したタマゴである。   テーブルの下から鳴き声が聞こえる。 鳴き声の正体を確かめた男は一度だけ微笑み、夕食の準備を始めた。   まるで…       家族の存在を忘れたかのように…        
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