プロローグ

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プロローグ

夏休みも終わり、蝉の声も緩やかな午後の日。 受験真っ只中だというのにいまいち授業を受ける気にもなれず、さっきから頭の中をくすぐる眠りの悪魔に身を委ねようか、とか思っている。 嗚呼、世の中は俺なんていなくても常に正しく回ってくんだろう。 なんかどうでも良くなった、一生懸命に勉強をするクラスメイトとそれを教える臨時採用の男教師に悪いとは思いながら俺はゆっくりとおでこを机に乗せた。 窓際の位置にある机のせいで多少日差しが鬱陶しいが、そうこうしないうちに全身から力が抜け、意識を眠りの悪魔に引き渡した。 この時はどこをどう切り取っても平穏だった。
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