主人公というのは大抵面倒事に巻き込まれてしまう

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  主人公というのは物語のメインの人物だ。ヒロインと仲良くなり、苦難を乗り越え、問題を解決して、やがてヒロインとくっつく。 モテない男達の言うリア充の出来上がりだ。そんな主人公は僕の周りに沢山存在していて、サクサク展開は進んでいる。 あっと、そう言えば自己紹介していなかったね。 僕の名前は弘田 涼……ってこれは今は違うか。 えーっと、レクス・アシュベストって名前だよ。 見た目は平凡な顔してるけど、主人公なんだ。 残念だったねイケメンじゃなくて、僕はかっこよくもなければ可愛くもないよ。ついでに美少女の知り合いがいる訳でもないよ。 さて、話は戻すけどそんな主人公達を傍観していた僕だけどそろそろ見ているのも飽きてきたわけだ。 だから、僕も主人公として主人公達に介入しようかと思っている。このアルフォース魔法学園に入学をしてかれこれ十四日目、今の僕のクラスにはそれはもう舞台は整ったと言わんばかりに沢山の主人公達が集まりつつある。主人公、とだけ言っても分からないかもしれないから簡単に説明をしよう。 可愛いヒロイン必ずいる、訳あり、オーラある。以上この三つが当てはまるような子がいれば主人公というわけだよ。 「ちょっ!皆もっと離れてよっ、歩きにくい…」 「そんな事言わないで下さいよ悠司様ぁ」 「ちょっと貴方!悠司から離れなさいよね!」 「悠司………一緒………」 おっと、そんな話をしていたら早速現れました主人公さん。彼は世間で言うハーレム主人公の勇者君です、美少女三人と弄られキャラ一人を連れて教室に入ってきました。茶髪の少し癖がある髪は彼なりの身嗜みだろう。 鼻筋が出ていて目付きは少しつり気味ではあるけど優しそうな顔立ちをしてるけど、今は困ったように眉を八の字にさせて女の子達に引っ張られていた。制服の上からでも分かるくらい肩幅はあり、スポーツをしていそうな爽やかさ背丈の長さも相まって感じさせる。 声も低過ぎずよく女の子が夢を見るような白馬の王子様を思わせてくれそうな声で、その声で彼女達はさらに骨抜きにされているのだろう。生憎こんなにベタベタとした状態になっていてもほとんどが主人公関係の人の生徒って言うのもあってその嫉妬による視線は少ない。 それでもやはり見ていて暑苦しいし鬱陶しい他ないって言うのもあって見られたりはしちゃうんだけどねー
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