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はぁ~。
俺、月城鷹也(つきしろ.たかや)はため息をつきながら自分の教室に向け廊下を歩いていた。
この徒或市(とあるし)にある金持ちの御坊っちゃま、御嬢様方々が通う[聖キリスト高等学園]に入ってから早2ヶ月……。
俺の母さんが学園の校長と知り合いだったことと、俺がある程度の学力があったおかげで家から近かったこの学園に(コネで)入学出来たが、ごく普通な庶民の俺はこの学園の金持ちどもの会話に入れない。
この前ロレックスの腕時計買っただとか、自宅で知り合いを集めてパーティーをしただとか……、俺の腕時計は1000円で買った安物だし、家でパーティーって言っても、たこ焼きを皆でつつくぐらいだ。
まぁ、てな訳で俺は友達すら出来ずクラスでも何だか浮いた存在で今日まできた。
この学園は必ず部に入らないといけない校則があるのだが、学園に馴染めていない俺が入れる部なんてなかった。
なので放課後に体育教師の鏡餅先生に呼び出され注意を受けた。
(……部活って言われても……どうすりゃいいんだよ)
んっ………はぁ….……。
「!」
これからどうするか考え込みながら俺のクラスの前に来た時、教室から女子生徒らしき声が聞こえてきた。
(もうクラスメイトは全員帰ったはずじゃ……)
俺はおそるおそる教室の中を覗いた。
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