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「美佐ちゃん、ただいま。ついでだから、尚登連れて帰って…。透さん、またサボってるの?」
「違いますよ。今日は、代休なんです。」
「あら、そうなの?」
透の姿を見つけて、嬉しそうな尚登。おやつなんて、そっちのけでパパに甘えてる。
「尚登。お祖父ちゃんが、会いたいってさ。」
「お寺、いくの?」
「お寺じゃないんだ。」
「じじじゃなくて?」
「そう。お祖父ちゃん。」
不思議そうに私の顔を見た尚登。頷くとぱぁっと顔を綻ばせた。
「ちょっと。それは、本気なの?」
「陰謀では、ないみたいですよ。今後も父親や弟として、付き合っていくつもりです。」
「僕、お兄ちゃんになりたい。妹がいい。」
「よーし、ママにお願いしろよ。」
奥の間で、透と尚登は、ずっと一緒に遊んでた。龍樹君は、来年から小学生。
お受験させずに公立の小学校に通わせると多佳子さんは、笑っていた。
「ごめんね。すっかり遅くなっちゃった。」
閉店ギリギリに来たお客様の対応で、一時間程、透と尚登を待たせてしまった。
「良いもんなぁ♪」
「クルクルお寿司♪」
貴方は、こうやって私を気遣って外食をさせてくれる。今日は、尚登が最近大好きな回転寿司に連れていってくれるみたい。
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