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―ここはどこ?
暗くて、霧だらけの空間。
不思議なことに、私は浮いていた。
視界がぼんやりする中、何かが私を優しく包み込んだ。
―な、何?
喋りたいけど、声が出ない。
その時。
何かが耳元で囁いた。
―お前が欲しい。
お前に会いたい。
明日、十字架を抱きながら満月を見て欲しい。
それが、俺と会うための鍵になる。
その瞬間。
首筋にチクリと痛みが走った。
そして、包み込んでいた何がが消えた。
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