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「す、すいません!」
内井が慌てて謝る。
(つってもなー。
カルリーニョスのマークに行ってたら、逆にこいつがノーマークだったしなー)
そう心の中で呟きながら、内井はある人物を視界に収める。
2年の崎本だ。
内井は、崎本がカルリーニョスにパスを出した瞬間にゴール前まで駆け上がって来たのを見逃していなかった。
(んー、惜しいなぁ。
でも、まだまだ始まったばかりだしねー)
ベンチで一人、哲治が不適な笑みを浮かべる。
(この形がドンドン続けば、試合をこっちのペースで進められるな)
崎本は、自陣に戻りながら考える。
(哲治の野郎、なかなかやりやがるな。
こりゃ、ひょっとしたらひょっとするかもの)
まだ試合が始まって一つ目のプレーに過ぎなかったが、崎本は少しの手応えを感じていた。
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