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二十二世紀 TOKYO
ここは二十二世紀の東京。いや、今の時代は『TOKYO』と書いたほうが馴染みがあるかもしれない。
二十一世紀後半から著しく文明が発達し、一昔前では考えられないほどハイテク化されてしまった。
いわばこの『TOKYO』は、その近代化の象徴といってもいいかもしれない。
しかし、いまこのTOKYOに活気に満ちた生活は全くと言っていいほどみあたらない。
いや、だれもできないのである。
二十一世紀に作られたこの新TOKYOのシンボル、二代目東京タワーも、無残に真ん中からへし折られている。
それどころか、いたるところでは火柱がたち、銃声が轟き、爆音はなにか悲鳴にも聞こえる。
特に被害の大きいのは日本の行政機関の密集する永田町であった。最高裁判所が単なる廃墟と化したのは最近のことではない。
そして、外務省、法務省、国会議事堂は見るも無残な瓦礫の山となってしまった。どうやら集中攻撃を受けたらしい。
この光景をただ傍観的に眺めている一人の少年がいた。
「おじいちゃんはこの国を…この日本を一体どう変えたかったのかな…‥」
総司令部の窓からこの変わり果てたTOKYOを眺めながらそうつぶやいたのは、
この第三次革命戦争の首謀者である野比セワシであった。
「そうだ。僕はやらなくちゃいけないんだ。おじいちゃんの為に、この国の為に、そしてなにより…この誇り高き『野比』の名を汚さぬ為にッ!」
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