new moon

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 汗が一筋流れ落ちて、背中のちょうど真ん中を通り過ぎる。  その感覚が気持ち悪くて、スーツの上から手の平でぐっと押した。  朝にも関わらず、容赦なく照り付ける太陽のせいで、うだるような暑さ。  ニュースは、連日猛暑日だと告げる。  またこの季節がやって来た。  東京に越してきて、7度目の夏。  1番嫌いな、夏が――。  ぐらりと視界が揺れる。  すぐ側にあったバス停のベンチに、腰掛けた。  最寄り駅まで、徒歩10分。  たったそれだけの距離が、私はスムーズに歩けない。
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