第四章 葉七の初恋

3/13
213人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
(しっかし、何人分かの材料だから重いなぁ) できる限りの力を出して、よっこいしょと買い物かごを運ぶ。 (斎藤さん、持ってくれないかなぁ?) ちらっと横にいる斎藤に視線を送ろうとした。 しかし、横のいるはずだった斎藤はいなく、もうずいぶんと前に行っていた。 重い買い物かごのせいで、葉七の歩くスピードは遅くなっており、そんな葉七に気づかず斎藤はスサスサと行ってしまったのだ。 (斎藤さんの馬鹿っ!! こんな重たい物を最後まで乙女に持たせるつもり!? 鈍感男! 最低クール男! 馬鹿イケメン男!!) 少々褒め言葉が入っているが、葉七は心の中で斎藤を罵った。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!