出逢いから22年

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――――― 仏壇に手をあわせる時間も なく、慌ただしく玄関ドアへ コウネは走っていく・・・ 「光音っ!大パパに挨拶は!?」 聞く耳をもたない反抗期の娘は パパの悲しいココロなど悟るコト なく、革靴を履き、全身が写る 大きな鏡で制服の乱れを直した 「コウネ!!大パパが泣くわよ!」 舌打ちをしたものの、靴を脱ぎ 母親の言いつけには逆らえず、 しぶしぶと白髪まじりの写真に 手を合わせ線香をあげた 「やればデキるんだよな♪」 リビングを通りすぎる姿に アキトは優しい瞳で応える ・・・当たり前のように シカト状態でガラス戸を閉め 両親の母校、城堀高の制服に 身を包んだコウネは出ていく 「アッキー、心で泣いても イイから舞台の顔合わせに行く んだから目腫らさないでね!!」 食事後のコーヒーを出しながら アカネは、少し傷ついた親バカ アキトの背中へ触れ擦りだす
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