EPISODE.2

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顔の見られ過ぎで穴が開くとは良く言った比喩だと思う。 やっと視線が逸らされ安堵するもどうやらここから逃がすつもりがないのがわかり、俺は大人しく桐生を観察することに決めた。 「君みたいな子が風紀委員長なんて勤まるのか不安ですが、一応顧問として挨拶はしておこうと思いましてね?」 「……先生、顧問?」 「えぇ、まさか理事長から直々に頼まれるとは思いませんでしたけどね。古い付き合いながら人使いが荒いったらないですけど…」 「……大変、だね」 「まぁ、私の話はどうでも良いんですよ…。君に風紀委員長が勤まるのか見定めに来たんです」 肩を竦めつつ差し出される眼鏡を受け取って掛けると、またもや見つめられ微かに眉を寄せつつ言葉を返す。 が、上から目線に苛立ちを覚え始めた俺は、速水のスーツの胸ぐらを掴んでは引き寄せる。 今にも唇が触れそうな距離まで間違えて引き寄せてしまったが俺は気にすることなく意地の悪い笑みを浮かべて口を開く。 「安心しろよ…俺はアンタが思ってるほど弱くもねぇ…。だが、俺を見下すようなその態度止めねぇと痛い目みさせっぞ?」 「……ふーん。それが貴方の素なんですね。良いものが見れました」 「くくっ。アンタおもしれぇな…。もっと仲良くなったら…俺の秘密教えてやるよ……速水センセ?」 そういうと同時になり響いたチャイムに俺は立ち上がると、教室から出ていく。 面白いものを見つけたかのように妖しい笑みを浮かべながら速水が俺の背を見つめていたとも知らずに。
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