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「…ごめん」
無愛想に言っているつもりはないんだけど相手にはそう聞こえるらしい。
『告白』を断ってその場を後にした。
『瀬川音哉』
それが名前だ。
一人称は特にない。
小さい頃から特になかったから今更何とか言うのも恥ずかしいけど、ここは『僕』に統一しよう。
僕は5人兄弟の末っ子で無愛想で無口で謎で何を考えているか全くわからないらしい。
別に特別何も考えてない。
ただ普通に生活しているだけなのに特に表情のない『無表情』だってよく言われる。
自分は楽しんでいるつもりでも相手には伝わらないらしい。
そしてもう1つ、女の子は嫌いだ。
理由ははっきりしている。
5人兄弟の末っ子だからすなわち上に4人いる。
その中に女の子が2人いて2つ上の姉、羽蘭(うらん)のせいだ。
女の子はうるさいし怖いし感情的で怒ると止められない。
羽蘭だけかな、でも一番上の愛華(あいか)も割りとそういう傾向がある。
愛華はベタベタしてくるのは苦手だけどそれ以外では優しいから好き。
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