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「そうだよ…」
あたしは唇を噛み締めながら佐藤の言葉を肯定した。
だって本当のことだもん。
認めるしか、ない…。
「なんでそんなこと…」
佐藤がさらに疑問を浴びせてくる。
答えは、ひとつだ。
「あたしが、晴にいちゃんを殺したから…!!」
あたしのせいで。
あたしのせいで、晴にいちゃんは。
思い出すだけで、苦しくなる。
だけど、泣かない。
もう、泣かないって決めたんだ。
「あたしのせいで、晴にいちゃんは事故に遭ったから…。だから…だからっ…」
自分で自分の首を絞めているような、感覚。
泣かないって、こんなに苦しいんだ…。
「あたしが晴にいちゃんになることが、一番の償いって、信じてきた…」
「バカじゃねぇの!?」
言い終わった瞬間、佐藤に怒鳴られた。
あたしの肩が、ビクリと跳ねる。
「だって…っ」
必死に言い返す。
「誰もそんなこと、思ってねぇよ…」
佐藤はさっきとは違う弱々しい声。
「なんでそんなこと、あんたに解るのっ…!?」
「おまえは晴樹さんを殺してなんかない」
「同情ならやめて」
「そんなんじゃねえよ!!」
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