ある殺人鬼のこだわり

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皆さんは“吸血桜”という怪談をご存知だろうか? 入学式や入社式など、これから新生活だと皆が意気込む四月頃、とある県のとある街のとある桜並木で毎年誰かが殺さるという怪談だ。 その殺された誰かの死体が毎回桜の木に寄りかかっていて、まるで桜の木が血を吸っているかのように見える事から、そんな名前の怪談で語られているのだ。 もちろん、これはそんな怪奇現象などではなく歴とした殺人事件である。 周りの者が面白おかしくふれまわっているだけで、これは確実に人間の仕業なのだ。 怪奇現象である訳がない。 …え?どうしてそんなに自信満々に言えるのかって? そんなの決まっている …………その事件の犯人が僕だからだ。
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