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翔もつられて笑い、ツバサの頭を優しく撫でる。
「おはよう、ツバサ!」
「クワクワァ~!」
翔はパジャマを着替えるとツバサを抱いて1階へと下りた。
洗面所に行くと、父が鏡を見ながらネクタイを絞めている。
「おはよう、お父さん!」
「おはよう、翔にツバサ!」
父は笑顔で言うと背広を羽織った。
もうそろそろ会社に行く時間みたいだ。
「ねぇ、お父さん見て!」
翔はツバサの背中を指差して見せる。
父は眼鏡を触りながら、その背中をジッと見つめた。
「羽じゃないか!」
羽を見て嬉しそうに叫ぶ。
実はと言うと父は恐竜だとかそう言う類いのものが大好きだった。
中でも翼の生えた恐竜が好きらしく、以前行った恐竜博でプテラノドンの複製を何枚も写真に納めていた。
「たった1日で羽が生えてくるなんてな~
きっと立派な翼になるに違いない!!」
父はキラキラと瞳を輝かせる。
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