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「僕は、近藤さんのために戦いたいんです!」
「!!………………。」
男は、何かを言いかけたが、青年の言葉で無言になる。
「近藤さん…忙しいから来れないんでしょう?そんな近藤さんのために僕は、戦いたいんです…」
青年は、まるで父親を想う幼い子供のように無邪気に笑った。
「駄目だ!!」
男は、真剣に尚且つ哀し気な顔で青年を見つめ返す。
「なぜです?僕は、強いんですよ?……もう…いらなくなりました?」
青年の肩がかすかに震えていた。
「そんな訳ないだろうが!!!!お前は、ずっと必要だ!新選組にも…近藤さんにも…俺にもな…」
「…………………土方さん…。」
「まずは、病気を治せ!!
これは…副長命令だーーー!」
「ふふ…ずるいです…」
青年は、弱々しく微笑む。だが…青年は、分かっていた。自分にこの先がないことを…恐らくこの男も…
「はぁ…わかりました。大人しくしてます…土方さん…その代わり僕の分まで近藤さんの役に立ってくださいね?」
「あぁ。」
やっとそこで男は、笑った。
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