27人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
沖田 「そんなんだと、いつか僕みたいな男に騙されちゃうよ?貢がされてさ。」
何いってるんだよ僕は…。
そして何で笑ってられるんだよ君は…。
お雪 「私は沖田さんがそんな悪い人じゃないことくらい分かりますよ。本心で冷たくしてるわけじゃないことくらい…」
沖田 「君に僕の何がわかるの?何も分からないくせ… お雪「だ、だって私と同じだから…。」」
お雪は寂しそうに目を伏せて言葉を重ねてきた。
僕と同じ?
笑わせるなよ…
お雪 「だって私も… 沖田「五月蝿いな!君は僕のどこが同じっていうのさ!」」
お雪 「…そうやって素直になれないところとか…かな。」
沖田 「素直?僕はいつだって、素直だけど…。」
お雪 「自分にたいして素直になれないところです。見ていて分かりますよ。」
沖田 「……。」
沖田は、言葉に詰まり生唾を飲み込んだ。
自分を見透かされているようで怖かった。
誰にも見せたことない動揺する姿を、この、お雪は意図も簡単に引き出してしまう。
そんな、お雪に少なからず新鮮さを感じずにはいられない、もう一人の沖田がそこにはいたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!