序章:切なる想いの果てに

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―僕は想った。 もう一度、彼女の笑顔が見たいと・・・。 あの声を聴きたいと・・・― この想いはこのまま、僕の心に傷を負わして。 それだけで、消えるはずだった。 ・・・それなのに。 想いは・・・僕の力と 正体不明のアイツの陰謀で そう・・・悲劇を招いた。 彼女を救うはずだった 僕の力は ねじまがったモノへと変貌した。 あの時何が起きたのか、 僕は解らない。 無意識に発動させた力は僕の魂を喰らうかのように 僕を瀕死に追いやった。 視界の隅に 冷たくなりかけて 倒れているはずの彼女がいた。 淋しそうにほほえむ彼女に、 苦痛の中、手を伸ばした、が。 あと一ミリのところで 手は届くことなく、 そ こ で 僕の記憶が 途切れた。 ―久遠 朝霧編 序章:切なる想いの果てに
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