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早朝。
バルハード王国アベンシアス城五階の寝室。
「すぅ・・・すぅ・・・・・・」
まだまだ幼き王子、シャズ・ロティス・バルハードがその小さい体をさらに小さく丸め、
ベッドに沈めていた。
こないだ9歳の誕生日を迎えたばかり。
幼さと中性的な顔立ちにより、可愛らしさが寝顔にも濃く表れている。
「・・・・・・ん」
寝返りにより、
彼のふわふわとして癖の強い青髪が頬に掛かる。
人懐っこさを感じさせる碧眼は、未だ閉じられている。
そんな中。
「くぅ・・・」
彼の隣で別の寝息が発せられていた。
まるで鈴の音のような、涼やかな声だ。
シャズよりも小柄なその子は、
彼の腕を抱き枕のようにして寝ている。
彼と同じく青髪碧目だが、
多少彼より髪の色は弱い。青というより水色に近かった。
長い髪をベッドに垂らし、幸せそうにしている。
レスティア・ロティス・バルハード。
7歳である彼女は、シャズの妹だ。
二人共、窓から差し込む朝の陽射しを受けており
ほのぼのとした雰囲気を全身から出している。
コンコン。
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