Chapter7 桜庭優

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「星野志保(ほしの しほ)さんに、来栖由衣(くるす ゆい)さんに、桜庭優(さくらば ゆう)くんね」 座った私達の名前をミク先生は順に呼んでゆく。 「えっ?」 「どうして知っているの?」 私と志保が驚いて訊ねる。 「どうして……って。前にお話ししたこと、あるでしょ?」 ミク先生が不思議じゃないとばかりに言う。 確かに入学したばかりの時に1人1人挨拶をしたのを覚えているけれど、たったそれだけで覚えてくれたのかな。 「さてと、貴女達はどういう関係なの?」 ミク先生の問いかけに私達は面食らった。 私達の関係……って? 「たっ、ただの同級生です。私も由衣も桜庭くんも1年1組の生徒なんです」 慌てた様子で志保が答えると、ミク先生はにこりと笑った。 「ふふ、なるほどね。じゃあ、仲良し3人さん。コーヒーでも飲む?」 私達は「はいっ」と声を揃えて返事をするとミク先生がコーヒーの用意をはじめる。 その時、志保は照れたような表情をしていた。 なんだろう。コーヒーが嬉しいのかな? そう思いながらも私もワクワクしながらコーヒーが出来るのを待った。
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