Chapter7 桜庭優

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ミク先生のコーヒーはインスタントでなくコーヒーメーカーを使った本格的なもの。 まさか学校でレギュラーコーヒーが飲めるなんて……。クラスの男子なんて化学室の濾過器(ろかき)を使ってコーヒー作って怒られていたのに。 「みんななかなか来てくれないからね」 可愛らしい部屋作りも、コーヒーもミク先生の工夫だった。 部屋にコーヒーの香りが漂いはじめた時、私はあることを思い出した。 「そう言えば優って、コーヒーダメじゃなかったっけ?」 私は優に訊ねると、優はちょっと考える表情をする。 「大丈夫だよ、ええと、ミルクがあれば」 「大丈夫よ。ミルクも砂糖もあるから」 そう言いながらミク先生はお盆に載せたコーヒーカップを運んだ。
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