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①
「じつに解せないな」伊庵圭が言った。
「何がだい」私は答える。
「一日に二度も掃除することがさ。それも昼過ぎにしたばかりなのに。僕には理解できないね」
「確かに」私は手を止め、うなずく。
確かに彼の言い分にも一理ある。
給食の後、クラス全員で掃除は済ませているのだ。
それから、数時間しか経っていないにも関わらず、もう一度、掃除する意味がどれ程あるだろう。
確かに無意味だ。
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