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山田はニヤニヤしながら言うと小さな紙袋を俺の前に出す。そして山田はあり得ない言葉を口にした。
「遠藤先生から。」
「え？」
驚きすぎて大きな声が出たが、それよりも、山田が言った言葉の意味が気になって一歩踏み出した。
俺の驚愕の表情に気を良くした山田が得意げに話し出す。
「この間、先生と一緒にチョコ買いに行ったんだけど先生が桜木君にって。」
それを届けに来たんだ、と山田はニヤニヤしたまま言う。でも、からかうような山田の様子も気にならない程山田の手元を食い入るように見つめていた。
「はい、どうぞ。」
俺に紙袋を押し付けると、じゃあと山田はあっさり手を振って友達とキャッキャ言いながら廊下を戻って行く。
「あ、どうも。」
俺の間抜けな言葉に山田は気付いてニヤリと笑った。
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