0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
ーー僕は何もすることが出来ずにいたーー
目の前には若い男女が向き合うように立っていた
これだけ伝えると、どこにでもいるカップルのようにきこえてしまう
しかし、これが非現実であってほしいと思ってしまう
好きだった女性が男と付き合っているとか、偶然気まずい場に居合わせたとか、そういった理由ではない
なぜそれでは非現実であってほしいと思ってしまうのか
その理由はこの場を見ている人にとっては明確である
なぜなら‥‥女の腹部が刃物で刺されているのである
それでも彼女は俺に向かってこう言うのである
「君は私が助けるから」
最初のコメントを投稿しよう!