プロローグ

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 ーー僕は何もすることが出来ずにいたーー  目の前には若い男女が向き合うように立っていた  これだけ伝えると、どこにでもいるカップルのようにきこえてしまう  しかし、これが非現実であってほしいと思ってしまう  好きだった女性が男と付き合っているとか、偶然気まずい場に居合わせたとか、そういった理由ではない  なぜそれでは非現実であってほしいと思ってしまうのか  その理由はこの場を見ている人にとっては明確である    なぜなら‥‥女の腹部が刃物で刺されているのである それでも彼女は俺に向かってこう言うのである 「君は私が助けるから」
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