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・ ・ ・ ・ ・ 終業のチャイムが鳴る。 私にとっては、スタートの合図のようなものだ。 教室の後ろ側のドアから誰よりも早く飛び出し、 特別校舎の廊下を、すれ違う教師に咎められない程度に足早に歩く。 やがて、渡り廊下に差し掛かり、 歩調を緩める。 背中全体の感覚を集中させて、 私はそれを待っている。 きっと、 きっと来てくれる。 やがて。 後ろから、小走りで彼が近付いて来る音がする。 私は今気が付いたかのように振り返る。 毎週金曜、 この瞬間、 私が彼を独占できる。 ・ ・ ・ ・ ・
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