不吉な『影』

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シンはザハークに聞いた。 「黒いカラーリング以外は共通点はないから言い切れないが…ただ何処かの国家の仕業の可能性は少し薄れてきてはいるがな…」 「まさか、自国のFWと戦うなんて考えもしなかった。」 素直な気持ちをシンは伝えた。 「確かにここまで大部隊になるとな。」 「シン!」 基地に戻るとアリサが出迎えてくれた。 「ちゃんと無事に戻ってきたんだね。」 「なんだ?やっぱり心配してくれんのか?」 「ちょ、だからそういうわけじゃ…」 アリサは皆の目の前であたふたした。 「あーっとにもう!」 「ハハハ…」 「それより!ちょっとこっちきて!」 アリサはシンを引っ張ってガレージ内のメンテナンス用PCの前につれてきた。 「なんだよ?」 「昨日と今日の戦闘で破壊した機体のOS内のデータを調べてみたの。」 先日のハイドラ、今日のレイドの中で比較的中枢コントロールシステムが生きている機体のOSを調べていたらしい。 無論作業は他の誰かがやったのだが。 「大半がセキュリティかかってて覗けなかったけど…」 モニターに二機の機動時に表示される画面を映し出した。 すると二つともまったく一緒の表記が写し出されていた。 「…shadow?」 「影って意味なんだけど…」 「…つか、つまり今日と昨日の襲撃は同一の組織からの襲撃ってことだよな?」 「まぁ…これが一緒ってだけだけど…可能性は否定できないよね。」 シンはそれを見て少し険しい顔をした。 -正体不明の黒いFW…そして影を意味するshadow…- 「不吉な…」 「え?」 「…なんでもない。それより飯食いにいこう。」 シンはアリサを連れて食堂へと向かった。
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