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俺が物心ついた時には、周りに家族の姿は無かった。 代わりにあるのは、ボロボロの家屋群に、道の脇につまれたゴミの山。そして、人の争う声と大人の下卑た視線。 俗にスラム街と言われる所だ。 幼い俺は、文字通り吹き溜まりの街でしばらく生きなければならなかった。 同じ境遇の子供は他にも大勢いて、不憫に思った小金持ちの貴族が時々施しをくれた。 しかし、俺には他の子供達と比べて大きなハンデがあり、なかなか食事にありつけなかった。 顔の右側に広がっている火傷の後だ。
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