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「先程の敬介さんからのご報告を一部訂正させていただきます」
何がどうしたんだとキョトンとする一同。
続きを待つ俺たちに、奈央はビシッと言い切った。
「結婚は、そのプロジェクトが終わるまで延期します。婚約発表も致しません」
「はっ!? なんでだよ?」
と、慌てる俺を止める者などいない。
誰しもが、どうして突然そうなったと思っているはずだからだ。
でも、それも一時の事だった。
「プロジェクトの発表に合わせて、私達の結婚もマスコミに発表します。その方が世間の注目を浴びやすいし、しいてはプロジェクトの宣伝効果に繋がります。敬介さんの秘書を務めさせて頂くからには、これが一番良い選択ではないかと」
奈央の突然の発案に茫然とする俺。
……甘かったのかもしれない。
奈央は間違いなく優秀なヤツだ。
しかしそれは、俺が思っていた以上の遥か上を行く優秀さだ!
それを証明するかのように、俺以外の男性陣は思考を張り巡らせてるようだった。
それぞれに経営を担う立場。
すぐに利益に繋がる算段を脳内で弾いてるに違いなかった。
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