~出会い~

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ある日、遥と二人で本屋に行くことがあった。   男性雑誌と女性雑誌でコーナーが違うため、お互い違う場所で立ち読みしていた。   ある雑誌をパラパラと見ていると、さまざまな無料サイトの告知が掲載されていた。   着メロ・待ち受け画像・おもしろ画像・出会い系…   ふと目にとまったのは、無料の出会い系だった。   当時は、現在ほど怪しいサイトが横行しておらず、それほど危ないものとの認識がなかった。   興味本位というのか、恐いもの知らずというのか…何となく携帯のメモにURLを写し、遥がいる場所に戻った。   『何かいいのあった?』   『いや、ないよ。遥は?』   『う~ん。特に買わなくてもいいかな。』   『そっか。じゃ帰ろっか』  彼女には何も言わなかった。いや、言えないのが当然だろう。   出会い系サイトなど、怪しさしか漂わないのだから…   ましてや、恋人に言えるはずがない。
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