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すっぽりと俺に包まれるソラ。
単車用の分厚いブルゾンが邪魔くせぇとか思う俺は。
「なんで“キラりん”だっけ?」
「……っ、光(ヒカル)だ、から」
頬にあたるソラの髪、その匂いが、ガラじゃねぇのに甘すぎとか考えちまう。
「じゃそれでいんじゃね」
「え」
「ソラに光、ぴったりじゃん。ここ、花火工場だし?」
本当は結構前から、コイツにこうしたかったみてぇ。
「ひ、ひっ、ヒッ」
「火事になりそうだから早く言え」
「……ひ」
背中が、軽く締め付けられた。
「光……
……くん」
「……“君”は止めろ、痒くなる」
「っえぇ」
「お前俺をいくつだと思ってんだ」
「じゃ、じゃぁ」
ソラを包んだまま、低い声で耳元に非難を浴びせ。
触れるか触れないかの位置にあるその場所の。
柔らかな髪を、そっと唇で顕にした。
「ひか……
……るん――――ったぁい!」
かじってやった。
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