正体と絶望

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―――――俺は何ということをしてしまった――あんな奴等死んで当然だ―――レキを守れなかった―――何でこんなことに―――嫌だ、一人になる――怖い、怖い怖い怖い怖い―――――!!!! 支離滅裂な思考が浮かんでは消えていく。体がカタカタと震え、血の気がざあっ、と引いていくのが分かった。 「嫌だ、嫌だ何で何で何で何で何で!!何でこんなことに、誰の、《誰のせい》―――――ッ!!?」 『教えてあげる。《彼奴》のせいだよ』 突如。ざらりとした耳障りの悪い声によって、滅茶苦茶な思考が捻り出した疑問に解答が与えられた。 「……あっ!?」 抱えていた頭はそのままに、腕と髪の隙間から斜め前を窺う。すると、そこにはいつぞやの影が存在していた。 『ごめんね、やっぱりこうなっちゃった……』 心底申し訳なさそうな声色で謝罪する影。だが、その言葉は今の俺には届かない。 「……彼奴、彼奴……のせい……彼奴の……」 与えられた《正答》に、俺の思考は埋め尽くされていく。そうだ、俺は答えを知っていたのではないか…… 黒く、より黒く染まっていく思考。嫌だ、こんなことに囚われるのは…… 心の片隅で、いつもの俺が微かな抵抗を試みる。しかし、上手くいかない。 『君が狂っちゃうのは、ぼくと彼奴の存在のせいなんだよ。ごめんね、ごめんね……でも』 一息分間が開き、次の瞬間。俺はふわりと影に抱きすくめられていた。
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