プロローグ

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 今の世の中は、人によっては凄く肩身の狭い思いをしなければならない世界だ。  別に人種差別が激しいって訳ではないし、魔力の量が少ないからと就職先がないという訳でもない。  ……この世界に住む人達は神から差別されたと言う。  生まれた時点で優劣が決まる……といえばわかりやすいだろうか?  魔力の量なんて今の時代ではほぼどうでもいい事だ、正直多くても少なくてもそれを補う事の出来る力がある。  無論、魔力の量が多いに越した事はない。魔力が多くて魔法の威力も高ければ、それだけで一般生活で自分の身を守る事だって出来る。  定期的に学校で開催される魔法での模擬試合や大会なんかでも、魔法の力だけで大活躍する奴だっているくらいだ。  だが大活躍するだけで、優勝にまでは決して至ったりしない。  何故か? ……それは魔力の量なんて取るに足らないと言えてしまうような力を使う奴がいるからだ。  生まれた時に、『ある特有の力』を一人一つだけ与えられる……神から。  その特有の力を『スキル』と呼ぶ。生まれてから大体小学校に上がるくらいにその力を使えるようになるのだが……どんな力なのかは人によって違う。  例えば……物理法則を無視して空を飛ぶ力を持つ奴とかが入れば、髪の毛を伸ばすというだけの地味なスキルを持つ奴もいる。  何の力を使えるようになるかは完全にランダムで、生まれた時点で決まるため……人によっては肩身の狭い思いをしなければならない訳だ。  つまりだ、いくら魔力の量が多くても、その人が持つ固有のスキル次第で戦い等の状況を有利に持っていく事が出来たりする。  そしてそのスキルの能力でクラスが分けられ、良いクラス程世間で色々優遇される。只でさえスキルの良さで日常が優遇されているのにだ。  まあ特別秀でてる人間はそんなに多くない、大体が同じスキルを持ってる人か、似たり寄ったりなスキルを持つ連中がほとんどだ。  凄いと言える様なスキルを持つ連中はそんなに多くない、そして特別凄いスキルを持つ連中は世間一般からエリートと呼ばれている。
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