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「っていうか、誤解を招きそうな言い方は、まずいと思うんですけど」
「誤解って何がだよ」
「だ、だって、キスしてただけなのに、その言い方だとなんか…」
「なんか?」
色素の薄いキレイな瞳で見つめられて、言葉に詰まってしまう。
大胆にも私に覆いかぶさっている張本人なのに、純粋そうに見えるのはなぜなんだろう。
「別の意味に聞こえちゃうっていうか…」
急に恥ずかしくなってきて、目をそらしながら小声でゴニョゴニョ言うと、葵センパイの「……へぇ」なんていう意地悪そうな声が降ってきた。
「そう聞こえるってことは、よっきゅーふまんなんじゃねーの?」
「なっ」
大きな口を開けて固まる私を見下ろして、葵センパイは吹き出した。
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