皇女様とオレ

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「最初にみんなにお願いがあるんだ。公の場はともかく、プライベートの時は今まで通りに接して欲しいんだ」 オレの提案に皆、目を丸くしたけど、反対の声は上がらない。 「それと名前も『リデル』って呼んで欲しい」 思い切って言ってみると、皆は一瞬押し黙ったけど、オーリエが真っ先に反応した。 「そうだな、リデル。私もその方がしっくり来る。今まで通り、よろしく頼む」 相変わらず男前だな、オーリエ。 けど、最近になって髪を伸ばし始めたことに気付いたのは黙っておいてあげよう。 「わたくしも貴女のこと、リデルと呼び捨てにするがは当たり前でしたから、今さら直すのも面倒に思っていたし、有難いですわ」 こいつには、もう少しオレを敬って欲しい気もしたけど、まぁいいか。 この方がアレイラらしいし。 「他人がいる前では高貴で清楚な皇女としがない研究者。でも二人だけの時は許されざる秘密の関係。ぐふふ、萌える設定です」 いやいやノルティ、お前とだけ秘密を共有した覚えはないし、そもそもそういう関係じゃないから。 この妄想癖がなければ、いい子なんだけどなぁ。 「あたしにとって、リデルはずっとリデルだから」 ユク……。 言葉が心に沁みた。 「うん、そうだよ」 ちょっと、うるっときてオレは慌てて次の質問をした。 「みんな、これからどうするんだ?」
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