皇女様とオレ

4/15
9078人が本棚に入れています
本棚に追加
/726ページ
オレがほわほわしていると、視線を感じる。 「リデル……浮気してる。ボクという者がありながら」 「ノルティ、誤解を招く発言はしないように」 ジト目で見つめるノルティに顔を向けた。 「誤解じゃないのにぃ……」 「で、どうしたノルティ、何か用か?」 「今、シンシアさんが言った通り、12班のみんなが待ってるんだ。ボクも呼びに来た」 「ああ、そうか」 多くの姫様候補生達が宮殿からの退出を余儀なくされていた。 皇女がオレと決まった今、いつまでも彼女達を留めておく必要なかったからだ。 12班のみんなも、別れの挨拶に来たんだとオレは思っていた。 そんな寂しい気持ちを抱きながら皇女用の客間に入ると、みんなが笑顔で出迎えてくれた。 あの最終試練の後、皇女帰還の発表のごたごたで短い言葉を交わすことはあっても、前のように話し合える時間が持てず、こうしてゆっくりみんなに会うのは久し振りだ。 オレに対する気持ちが以前と変らないのを感じ、嬉しくなって挨拶もそこそこにオレは一つの提案することにした。
/726ページ

最初のコメントを投稿しよう!