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オレがほわほわしていると、視線を感じる。
「リデル……浮気してる。ボクという者がありながら」
「ノルティ、誤解を招く発言はしないように」
ジト目で見つめるノルティに顔を向けた。
「誤解じゃないのにぃ……」
「で、どうしたノルティ、何か用か?」
「今、シンシアさんが言った通り、12班のみんなが待ってるんだ。ボクも呼びに来た」
「ああ、そうか」
多くの姫様候補生達が宮殿からの退出を余儀なくされていた。
皇女がオレと決まった今、いつまでも彼女達を留めておく必要なかったからだ。
12班のみんなも、別れの挨拶に来たんだとオレは思っていた。
そんな寂しい気持ちを抱きながら皇女用の客間に入ると、みんなが笑顔で出迎えてくれた。
あの最終試練の後、皇女帰還の発表のごたごたで短い言葉を交わすことはあっても、前のように話し合える時間が持てず、こうしてゆっくりみんなに会うのは久し振りだ。
オレに対する気持ちが以前と変らないのを感じ、嬉しくなって挨拶もそこそこにオレは一つの提案することにした。
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