episode13 武闘大会開幕

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「チッ。うっせぇなぁ。あんなもん聞きたい奴だけきいときゃいいだろうが」  顔を眇め言い返す風真に、指を上下に振り更に咎めるように言葉を続けるリディア。    その様子をバレットが苦笑しながら見続ける。 「あ~いたいた。風真ちゃ~ん。リディアちゃ~ん。そろそろ受付始まるから一緒に付いてきてよ~」  そう呼びかけてきたのはフレアであった。多くの人でごった返す中、その波を掻き分けながら全員でフレアの後を付いて行く。  受付にはバレットも同伴して構わないそうなので、一緒についていく形となったのだ。  ついこの間まで広場だった会場へ四人は訪れる。しかしそこもかなりの人ではあった。  そんな中、出来上がったコロシアムの入り口を抜けると、選手受付と書かれた看板の立つカウンターがみえた。 「コピーちゃん、ども~」  軽い感じにフレアが挨拶し、カウンターの中に立つ女の子に近づいていく。 「あ、フレア様! こんなところまでお越しいただいて――」  コピーと言われた女性は、恭しく頭を下げるが、フレアは、あぁ、そんな事しなくてもいいから~、と右手を左右に振る。  女性は髪の毛は耳が隠れるぐらいの短さで、その色は黒。丸みを帯びた顔で可愛らしい雰囲気を持った女性であった。
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